加地ちゃん先生の blog

加地ちゃん先生の、日々の活動について語りつくしていきます。

雨と、空と、川と、そこにある幸せと。

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静かな川面に宇宙の青が映り、流れ行く雲はまるでスローモーションのように世界を旅している。 目の前には少しお休みしているストックさんのミステリーベイトが静かに浮かんでいて、そのABS製のウイングを表面張力で水面に休ませている。 山間部の川にやってこようと思ったのは、いつもふとした思いつきなのだけれど、たとえ釣れなくても、魚がそこには居ないとわかっていても、人が居ない川面に立ってロッドを振り切るのは心地よい瞬間だ。 今日のロッドは金属製のスチールロッド。100年も前の仕様のロッドを現代に蘇らせた東京の「バスポンド」さんの傑作だった。ロッド自体に重さがあり、ルアーウェイトを効果的に乗せてキャストできるため全体の長さを抑えることができる。たったの5ftしかないこじんまりとしたロッドだが、一オンスクラス以上のルアーを軽々と背負いそして、何事もなかったように空へ飛ばしてくれる。 つけているリールは半世紀以上も昔のダイレクトリールで、クラッチが無いためキャストした瞬間にハンドルが大逆転をする。しかし、一見華奢に見えるそのハンドル自体がブレーキ機能を持たされて居て、回転するウェイトが効果的に飛翔して行くルアーを減速させて行く。ありとあらゆる技術で武装された最新リールももちろん便利で高い性能を秘めているのは確かだけれど、釣りに行く前夜に完全分解をしてオイルを引き直す気には、到底ならない。 しかしダイレクトリールなら、機構が簡単なため、一時間もあれば完全分解組み立てが終わってしまう。何よりもむしろ、その時間こそが至福のひと時にもなり得るという素晴らしい一面も持つ。 「釣り」と、簡単にひとくくりにはできない、ルアーフィッシング。釣れなくても楽しいのだ。 30年前にこんな素晴らしい趣味に出会えて、本当に良かった。